N°0884 クラヴァット ピン - フランス王政復古時代
フランスの19世紀前半、王政復古時代のアンティークジュエリーをご紹介いたします。
これはクラヴァットピンで、八角の18金製のフレームへ、赤系のトルマリンをセッティングしています。
ピンは長さ81mm、トップはフレームを支えるため二又になっています。
フレームには、宝飾師による植物文様の彫金があり、緑と白のエマイユ装飾があります。
縦15mm、幅11mm、厚み5mmの小さなフレームへ、細かい彫金をつけてあり、
緑は透明のエマイユを使った「トランスルーシッド・エマイユ」で、台座の彫金文様が透けて見えています。
そしてこの赤系のトルマリンは、光によって、ボルドーワインのような深い赤に見えたり、紫色が煌めいたりし、神秘的な印象の美しい石です。
フランスの王政復古時代は、1815年のナポレオン1世皇帝の後から、ブルボン王朝が復活した時代で、1815年以降から1830-1840年代頃にあたります。(*下記参照)
王朝時代の装飾が好まれ、植物文様やエマイユ、綺麗な色の宝石を使った優雅な作品が作られた時代です。
このクラヴァットピンは、当時はこのようなネクタイの元となった長い布を首元へ巻きつける「クラヴァット」を留めるジュエリーとして着けていました。
ご希望の方へは、シリコン製のピンストッパーをお渡しいたします。ピン先を服地の裏側へ通し、ストッパーを付けますとセキュリティになります。
18金の黄金、エマイユの白と緑、深い赤のトルマリンと、フランス的な色彩の組み合わせが美しく、
ジャケットやコートの衿元へ、凝った装飾で、さりげない存在感がある1800年代前期のクラヴァットピンです。
◯ フランス王政復古時代_19世紀前期_シャルル10世王_ルイ18世_ルイ・フィリップ王
1814年のナポレオン1世皇帝の失脚後、1830年まで続いたブルボン王朝による立憲君主制。
まずルイ18世が復位した。ルイ18世は18世紀前期のルイ15世の孫で、兄はルイ16世、1755年にヴェルサイユ宮殿で誕生する。逝去後の1824年に弟のシャルル10世が続いた。シャルル10世王はマリーアントワネットとも仲良く、もっとも王らしい王と言われる。
1830年までの王政期には、18世紀のブルボン王朝様式やマリーアントワネット好み、中世、ルネサンス時代様式が復活し、ネオ・ゴシック、ネオ・ルネサンスといった工芸美術が流行する。1830年にはオルレアン王朝のルイ・フィリップ王が即位し1848年まで在位した。
一般には、1814-1848年を「フランス王政復古時代」と呼ぶ。
フランス 19世紀前半
素材: トルマリン・18金・エマイユ
サイズ:L8.1cm W1.1cm
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France, Second Quarter of the 19th Century
Material: Tourmaline, 18K Gold, Enamel
Size: L8.1cm W1.1cm
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