N°0680 Sold* 古代ローマモザイク ダブルフェイス アンティークペンダント

こちらの作品は販売済となりました、ありがとうございました。

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18世紀のアンティークジュエリーをご紹介いたします。
これは18世紀後期に作られたローマンモザイクのペンダントで、ダブルフェイスの作りです。
モザイクはローマで、フレームはフランスでの創作です。
ダブルフェイスの一面はパンテオン、

パンテオンのモザイク・アンティークジュエリー

パンテオンは、古代ローマの神々を祀る神殿です。
紀元25年に最初のパンテオンを建設し、その後2世紀初期に再建し、今もローマに建っています。
特徴はドーム状の天井で高さは43.2m、上のモザイクでも後上部に見えていますが、この天井は「オクルス(目)」と言い、頂点に直径9mの開口部があり光が入ります。
続いて、もう一面はコロッセオです。

コロッセオのモザイク・アンティークジュエリー

コロッセオは、紀元1世紀の競技場で、2000年の時を経た破損はありますが、現在もローマに建っています。
長径188m、短径156mの楕円形で、高さは48m、4階建てで2~4階に観覧席があります。
2000年前のコロッセオは、現在も世界各国の競技場のお手本となっていますし、荘厳な神殿のパンテオンも、古来から現代まで世界中の建築家が学識の基礎とする建造物の一つです。
モザイクは、色の使い方やカラーグラデーションの付け方、

芸術家の絵を元にした絵画的な仕上がりで、工房の高度な感覚と技術がわかります。
上のパンテオンの柱から入口への遠近感、手前の敷石の色合い、
下の空の水色のグラデーション、コロッセオの崩れ具合などが巧みに作ってあります。

フレームは同じ時代の18世紀後期のフランスで作られた18金製で、シンプルで古典的なネオ・クラシックの形です。
ダブルフェイスの両面それぞれにフレームを作り、それを中央でセッティングしている凝った作りです。

フレームの側面には線彫刻が見られます。

18世紀は、「グラン・トゥール(英:グランド・ツアー)」という、主にフランスとイギリスの貴族や裕福な子弟が、学業の最後にイタリアへ数ヶ月、長ければ1年を超える旅を行いました。
教師格の付き添いと共に、フランス、イタリアでの古代遺跡発掘の見学、古代からの政治学、文化芸術を学ぶ旅でした。フランス人はイタリアへ、イギリス人はフランスを経由しまずは社交界で礼儀作法やマナーを学んで服装を洗練させ、その後イタリアへ、が通例でした。
裕福な子弟たちだけでなく、研究者、芸術家、建築家たちもイタリアへ行き、古代ローマやルネサンス時代の文化を研究し学び、自国へその成果を送り届けたのです。(※下記参照)
このモザイクはそんな時代に、フランスへもたらされ、ペンダントへ創作したジュエリーです。

18世紀のグランドツアー
パンテオン / ヘンリー・ペースの肖像 P.G.バトーニ画 1774年 ローマ国立古代博物館蔵

 

古代ローマ時代から2000年の時を超えて、美の基準となっている建築物をジュエリーに表してあり、18金で当時のいい技術で精緻に作ったフレームでジュエリーにしてあることから、それだけ希少なものとされていたことが見て取れます。
18世紀後期のローマンモザイクで、特にダブルフェイスに仕立てたアンティークジュエリーはほとんど見られません。

アンティークペンダント18世紀のモザイクダブルフェイス

凝った作りのアンティークチェーンを合わせ、男性がつけられても素敵です。
チェーンはさまざまなデザインをご紹介致せますので、お問い合わせ下さい。

※ グラン・トゥール 英:グランド・ツアー 文化_歴史名称

18世紀から19世紀にかけヨーロッパの貴族・富裕ブルジョアの子弟が行った大旅行。古代遺跡の発掘も盛んになった時期で、ミラノ、ヴェネチア、ローマ、ナポリなどのイタリアはグランドツアー行程の中でも最も多い訪問地であった。
グランドツアーは数ヶ月、あるいは1年を超える長期に渡る旅で、莫大な費用と時間をかけて行われ、教師格の付き添いと共に、フランス、イタリアでの古代遺跡発掘の見学、古代からの政治学、文化芸術を学ぶ旅である。フランス人はイタリアへ、イギリス人はフランスを経由し、まずは社交界で礼儀作法やマナーを学んで服装を洗練させ、その後イタリアへ、が通例であった。
予期せぬ危険とも背中合わせであったが、1千年を超える文明の地を訪れ素晴らしい風景に感嘆し、ヨーロッパ文明の源に触れることが出来る歓喜が人々を引きつけた。
現代の旅とはかけ離れた次元の旅行で、当時のイギリスの作家は・・・『イタリアのごとく驚きと歓喜に満ち教養を得る旅が可能なのは世界の何処を探しても無いであろうと思われる。芸術はここから生まれ、数千年を超え今目の前に存在する彫刻や絵画、モザイク、建築の全てをこの目で見ることは何という驚きであろうか』と書き残している。
子弟達はグランドツアーで得た教養や知識、そして当地の遺跡コレクションや宝飾品を国へ持ち帰り、自国の文化事業に貢献している。裕福な子弟だけでなく、研究者、芸術家、建築家たちもイタリアへ行き、古代ローマやルネサンス時代の文化を研究し学び、自国へその成果を送り届けていた時代のカルチャー・トラベルである。

18世紀後期
モザイク:イタリア(ローマ)
フレーム:フランス
素材:モザイク・18金
サイズ:L2.5cm (リング含むL3.4cm)x W3.1cm
Sold*

Pendant
Late 18th century
Mosaic: Italy (Rome)
Frame: France
Material: Mosaic, 18K gold
Size: L2.5cm (L3.4cm including ring) x W3.1cm
Sold*

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