N°1461 カステラーニ - モザイクと古代銀コイン ダブルフェイスペンダント

19世紀中期イタリアのジュエラー「カステラーニ」の古代様式のペンダントをご紹介いたします。
このような形は、古代ローマ時代の「アミュレット」で、着ける人を悪から守護するお守りであり、同時に身を飾るジュエリーでした。

( 図像:古代ローマ アミュレット )

 

18金の台座へ、フィリグリー(縄目状装飾)や粒金細工をつけ、菱や円型などのフレーム内はモザイクで飾っています。
下部の中央には、古代の「アレキサンドル大王」の銀コインをセットしています。

カステラーニは遺跡から発掘された古代の宝飾技法を、独自の研究で復活させ、それらにインスピレーションを受けたジュエリーを創作した、19世紀の偉大なジュエラーです。
また、古代のコインやカメオ、インタリオを、古代様式ジュエリーへ使い、それはカステラーニのスタイルのひとつでもありました。

片面は銀コインで、もう片面は天使のモザイクで飾っています。

18世紀後期から19世紀にかけて、ヨーロッパでは古代遺跡の発掘から見事な装飾品が発見され、王侯貴族や富裕な人々を熱狂させました。
そんな時代に、アンシャント・リヴァイヴァルという古代様式がジュエリーにも取り入れられました。
当時の貴婦人が、古代様式のペンダントやイヤリング、ブレスレットを着けた姿が残っています。

( ド・ブロイ公爵夫人の肖像 1851-1853年 アングル画 メトロポリタン美術館蔵)

 

このペンダントは内側から開き、内部はロケットで19世紀中期当時のナポレオン3世皇帝のウージェニー皇帝妃の写真が入っています。このことから、おそらく皇帝に近しい宮廷貴族のもちものであったと思われます。

古代様式の18金チェーンや、細身のスカーフ、コードなどで着けられると素敵な、19世紀イタリアの偉大な宝飾メゾン「カステラーニ」のアンティークペンダントです。

◯ カステラーニ Castellani, Fortunato Pio ジュエラー_宝飾商

フォルチュナート・ピオ・カステラー二(1794-1865)がイタリア、ローマに創立。息子アレッサンドロ(1823-1883)、孫息子オーギュスト(1829-1914)の3代に渡り存続した宝飾工房及び宝飾商である。
息子アレッサンドロが1860年パリのシャンゼリゼに、1870年にロンドンに宝飾店及び工房を開業し、1861年フィレンツェや1881年ミラノでの宝飾博覧会にも出展し、成功を収める。
オーギュストの一人息子アルフレッド(1856-1930)は、存命中父の仕事のデザインや修復に助力したが1930年に亡くなり、工房は閉じられた。
亡くなる以前にカステラーニの古代ギリシャ・ローマ時代の芸術品コレクション(花瓶、彫刻、ブロンズ像など)をはイタリア国家へ寄贈され、美術館へ収められた。
多くのコレクションされていた宝飾品はオークションによりヨーロッパ各国の美術館へ収められた。
古代エトルリアの発掘装飾品に魅せられ、自ら収集し、技法がわからなくなっていた宝飾技術や古代様式を、アンティック・リヴァイヴァルとして復刻し、ヨーロッパ中に影響を与えた。また、ビザンティン様式、中世様式の作品を創作し、各国の王国貴族や美術館、博物館に保存されている。

イタリア 19世紀中期
カステラーニ
素材: モザイク・18金・古代銀コイン
サイズ:L5.0cm W3.0cm D1.2cm
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Italy, Mid-19th century
Material: Mosaic, 18K Gold, Ancient silver coin
Size: L5.0cm W3.0cm D1.2cm
Price : Please contact us ▽

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