N°0856 Sold* フロマン=ムーリス – 紋章・彫金アンティークリング

こちらの作品は販売済となりました、ありがとうございました。

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19世紀の偉大な宝飾家の一人、フロマン=ムーリスのアンティークジュエリーをご紹介致します。
これはフランスの「ルィヌ公爵」の紋章をセットした、両側を彫金細工で作った指輪です。

フロマン・ムーリス

ルィヌ公爵家の紋章は、騎士の盾型で、トップに侯爵の王冠、左右にオーストリッチの羽根飾りとリボンとタッセル付カーテンがあり、その内側にテンの毛皮模様を彫り、中央の盾の中に王冠をつけた獅子です。
ルィヌ公爵家は、1619年からシャルル・ダルベール・ド・ルィヌが第一代として、王侯貴族の豪華絢爛な古城が点在することで有名なロワール地方を統治していた大貴族です。
当時はフランス全土の5分の1ほどの広大な領地があり、現在も「ルィヌ」の土地名が残っており、家系は13代目へと続いています。

紋章と彫金のアンティークリング

下がルィヌ公爵家の紋章を図像化したもので、これは何か特別な場合や物に付ける時に使う勲章付き紋章です。

紋章は、深緑に緋色の斑点があるのが特徴の石、ブラッドジャスパーに彫刻してあります。
ブラッドジャスパーの「ブラッド」とは血のことで、天然でこのような緋色の斑点が石の中に現れます。
この石の緋色の斑点は「キリストの血」とも言われ、古くからヨーロッパではブラッドジャスパーを神聖視し、教会の宝物などに使ってきました。

宝飾品では、キリスト像のカメオやインタリオ、三位一体といった神聖なモチーフを彫刻し、ジュエリーやオブジェに使われています。
リング部分は18金と銀を使った彫金で、天使が紋章を支える形のデザインです。
天使の頭上には、神殿の柱にあるような柱頭装飾が彫ってあり、足元には巻紙型のフレームをつけ、

指輪の後まで装飾があります。
これらのデザインは、ルネサンス時代の装飾にインスピレーションを受けたもので、リングの内側は18金製です。

中央の紋章を引き立てる金銀彫刻のバランスは完璧で、フロマン・ムーリスの刻印がリングの内側にあります。

指輪という小ささにも関わらず、バランス感覚の素晴らしいデザインに基づいて、精緻な彫金を施して仕上げたルネサンス時代様式のアンティークジュエリーで、宝飾師というだけでなく、彫刻家としてのフロマン=ムーリスの素晴らしさがわかる指輪です。

サイズ直しは不可のデザインのアンティークリングです。
当時は男性用として作られましたが、金銀の使い方の美しさ、守護のシンボルのブラッドジャスパーの謂れや、図柄的にも綺麗な紋章が魅力で、男女問わずお着けいただけるアンティークジュエリーです。

※ フロマン=ムーリス  Froment Meurice
フランソワ=デジレ・フロマン=ムーリス(1801-1855)はフランスのロマン主義芸術家で最も重要な金銀彫刻宝飾作家の一人であり、19世紀におけるゴシック及びルネサンス様式のパリの偉大な工房でもありました。
宝飾箱、ジュエリー、花瓶、化粧台、カップ、燭台など様々なオブジェを、王侯貴族からの注文により金銀や宝石を使った彫刻で創作しました。
ルイ・フィリップ国王やペルシャのシャーの王室注文を受け、1844年と1849年のパリ博覧会では金賞を受賞、1848年にはパリのマドレーヌ寺院の注文、1851年のロンドン博覧会では、現代に至るまでこれを越える金銀彫刻作品はない言われるほどの最も素晴らしい作品として歴史に名を残したパルム侯爵夫人の化粧台を出品しました。
また芸術家として、19世紀フランスの偉大なる作家オノレ・ド・バルザックやヴィクトル・ユーゴーとの親交があるなどパリの芸術家サロンの中心人物の一人でもありました。
フランソワ・デジレの1855年の逝去後、子息のエミール・フロマン・ムーリス(1837-1913)が工房を継ぎ、1867年の博覧会では賞を受け第二帝政時代の最も重要な工房となりました。

フランス 19世紀第三〜第四四半世紀
フロマン・ムーリス
素材: ブラッドジャスパー・18金・銀
サイズ;L1.7cm
リングサイズ:23~24
Sold*

Ring
Froment Meurice
France 3rd to 4th quarter century 19th century
Material: Blood Jasper, 18K Gold, Silver
Size: L1.7cm
Ring size: 23 ~ 24
Sold*

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