N°1332 ルネサンスの王剣 アンティークブローチ
フランスの19世紀中期の、ナポレオン3世皇帝時代(※下記参照)の剣型のアンティークジュエリーをご紹介致します。
これはルネサンス時代の王の装飾剣のブローチで、剣は18金へ彫金をほどこしてあり、全面にダイヤモンドをセッティングし、10石のルビーがアクセントになっています。
剣といえば戦いのシンボルですが、このような宝石で飾った剣は、王冠、ティアラ、パリュールのジュエリーとともに宮廷用の装身具です。

ルネサンス時代には、王や皇帝が、必須の持ち物として、装飾をほどこした剣をたずさえていました。
下の絵は、16世紀の神聖ローマ皇帝カール5世像の一部ですが、黄金色に彫金をした剣を手に、毛皮で縁取ったマントに勲章やリング、ブレスレット、黄金のボタンなどの宮廷の装いをしています。

このブローチは、ルネサンス時代の装飾的な王剣をかたどっており、下のトップ部分を外して、刃の部分をさし込み、トップを装着することで着ける仕組みのジュエリーです。
トップの留め具は19世紀の素晴らしい宝飾技術で作ってあります。
着ける時には、剣とトップは正面の位置で、差し込むだけで、先がカチリと入り留まります。
外す時には、剣を90度回しますと、内部でストッパーになっていた部分が外れますので、その状態で引き抜きます。
この作りのおかげで、しっかりと留まります。
下の画像の向かって右の裏面の写真では、右に小さな突起が見えますが、これは宝飾用のピン付セキュリティーチェーンをセットできるリングで、ご希望により付けることができます。
中世にはアコレード(騎士号授与式)で剣を肩へ置くジェスチャーが大切な儀式でしたし、アーサー王伝説の剣エクスカリバーも同じく、剣は王や騎士にとって大切な持ち物であり、力、正義、守護のシンボルでした。

ブローチのトップには、クローバー型に3石のダイヤモンドをセットし、持ち手部分はクロス型のデザインで、フレームにはミルグレーン(粒状彫金)をつけ、全て宝飾師による彫金で仕上げている上、デザイン的にもとても綺麗なジュエリーであることが魅力の一つです。
いにしえの王の正装の肖像画には、必ず剣が描かれていますし、ルネサンス時代は王冠よりも騎士王としてのシンボルの剣をより重要視されていました。

コラム《 アンティークジュエリー物語 n.68 フランソワ1世 》もご覧下さい。
サイズは長さ13.7cm、一番広い部分で幅が4.5cm、男女問わずお着けいただけます。
着けますと刃の部分が隠れ、曲線的な彫金に添ったダイヤモンドの裏面は全てオープンワークになっており、石は綺麗に輝いている上、
下のバイオリン型のトップ部分も魅力的なアクセントになっている、男性にも素敵なフランスのアンティークブローチです。
◯ ナポレオン3世皇帝時代_19世紀中期_第二帝政時代_ウージェニー皇后_フランス
フランスの1852年〜1870年まで続いた第二帝政時代。1848年にナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世皇帝)の甥であるルイ・ナポレオンがフランス第二共和制の大統領となり、1851年に政権を掌握し1852年にナポレオン3世皇帝となった。皇后はスペイン貴族のウージェニーである。
自由帝政のもとで商業や金融、文化の発展に力を注ぎ、産業革命によりフランスの経済発展に大きな効果をあげ、イギリスとも協調しフランスの国際的地位を高めるなど、政治的敏腕の持ち主であった。鉄道の整備やオスマンの指揮のパリ改造計画により、中世の建造物からオスマン建築へ変化させ、道路に水を流す街路清掃システムやガス灯の整備、オペラ座、コンコルド広場といった現在のパリの姿が作られた。ウージェニー皇后の18世紀宮廷貴族好みから、ブルボン王朝の豪華な装飾品が様式として作られ、歴史主義、古代主義、ルネサンス時代様式など、古来にインスピレーションを受けたジュエリーが作られる。19世紀以降、宝飾技術が発展し、さまざまなテクニックを使った精緻なジュエリーが作られ始めたが、ナポレオン3世皇帝時代は産業革命により道具や精密機器の創作とともにより高度となった。普仏戦争による疲弊でフランス第三共和制へ移り、皇帝時代は終わりを迎える。現在、フランス繁栄の基礎を築いた時代として評価されている。
フランス 19世紀中期
素材:ダイヤモンド・ルビー・18金
サイズ:L13.7cm W4.5cm
価格問い合わせ ▽
Brooch_sword
France Middle 19th century
Material: Diamond, Ruby, 18K gold
Size: L13.7cm W4.5cm
Price : Please contact us ▽