アンティークジュエリー物語n.14
春から夏へ
ブローチの楽しみ

アンティークジュリーの魅力のひとつ、「 ブローチ 」を皆様はどんな風に楽しんでいらっしゃいますか?


様々な工夫を凝らしたデザインに、アンティークジュエリーならではの細工や色合いと、ブローチには素敵なものが沢山あり、選ぶのに迷ってしまうほど。
でも、薄着になる春夏にはちょっと着けにくい、なんて思っていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、 いにしえの パリジェンヌ達の春夏ブローチの着け方 をご紹介致します。
まずは王道、ジャケットの襟元へ、


黒はもちろん明るい色の上着には、どんなブローチも映えるようで、パリジェンヌ達は春夏にアイヴォリーや白の上着をよく着ています。
こんな風なかっちりとしたものや、優しい印象のノーカラーにニットなど、色使いも参考になりそうですね。
続いて下は、パリで暮らしたウィンザー公爵夫妻、


ヨーロッパの女性に比べますと、華奢で日本人に近い体型の夫人は、大きめのブローチを中心へ、濃色の装いに映えますね。
次に豊かなデコルテをお持ちの方へ似合う着け方で、広がったスクエアネックの角へ、バーブローチを1つ、です。


そしてまたウィンザー公爵夫人、こちらは1937年のウェディングの時の写真で、大人の女性らしいツーピースですね。
ここでも夫人らしく襟元へ、フランスのカンデ城での結婚式、
この時はヴァンクリフ&アーペルのエヴァンタイユ(扇)のクリップブローチでした。


次は1910〜30年代に活躍したフランスのクチュリエール、スキャパレリ、
ノースリーブのワンピースへ、ブローチの斜め使いが個性的です。
夏の装いの、中央へブローチを着けますと、どうしても下がりがちですが、こんな風に横に着けることで、ブローチの重みが肩甲骨で支えられるようになります。


また、アンティークジュエリーならではの、クリップ型ブローチですと、なおさらしっかりと留まります。
下はボブスタイルの20年代の女性です。
涼やかなワンピースはボートネック・スタイル、画像では判り難いのですが、両肩にペアのブローチを留めつけています。
軽そうな刺繍のワンピースと上手くコーディネイトしていますね。


他のアイデアとしては、薄地の服には裏側に小さくカットした生地を添えてブローチを留めると薄い生地を傷めませんし、
あるマダムは、服に留めるときに下着のストラップも一緒に留めてしまうと落ち着きますよ、と仰っていました。

また、ペンダントと兼用のブローチの場合、中央にとめ、チェーンで垂れ下がりを防ぐのもいい方法です。
薄着の季節も、ご紹介したようなパリジェンヌ達のように、ぜひブローチを楽しんでください。

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