N°1281 18金製彫金 クラヴァットピン/アンティークジュエリー

フランスの19世紀後期のナポレオン3世皇帝時代のスポーティなアンティークジュエリーをご紹介致します。
モティーフは「トロット・アテレ」の騎手と「クル・ド・マレシャル・フェラン」で、彫刻師が18金の塊を彫金し作った長さは9.4cmのピン・ブローチです。

フランスのピンアンティークジュエリー

「トロット・アテレ」とは、古代ギリシャ時代にさかのぼる競技で、騎手が競走馬の後ろにつけた繋駕車(けいがしゃ/一人乗りの二輪馬車)競走のことです。
古代ギリシャでは、この画のような競技会が開かれていました。

古代ギリシャ時代のトロット・アテレ / 古代ギリシャ時代の壺

 

「トロット・アテレ」はヨーロッパで、特にフランスが盛んです。
歴史的には1836年に、フランスのナポレオン皇帝軍の将校エフレム・ウエル(1807~1885)が創設しフランス公式競技となりました。
以降、19世紀を通じ現在へ続いており、有名なのはパリの東の森にあるヴァンセンヌ競技場です。

ヴァンセンヌ競技場にて 1904年

 

騎手が座っているのはフランス語で「クル・ド・マレシャル・フェラン(装蹄師の釘)」と呼ぶ馬の蹄鉄用の釘です。
装蹄師(そうていし)とは馬の蹄鉄を専門に取り付ける職人のことで、フランスの国家資格が必要な専門技術者です。
馬は自らにぴったり合う馬蹄をつけることで、馬の生命線と言われる足や、体全体の炎症を防ぐことができ、装蹄師は馬の命を左右する非常に重要な仕事なのです。
ヨーロッパではこの形の釘を中世から馬蹄に使っています。

クル・ド・マレシャル・フェラン

続いて、騎手の彫金をご覧下さい。
縦20mm、幅14mm、厚み8mmの小指の先にも満たない大きさの中に、10倍に拡大しても見事な彫りが施してあるのがわかります。

顔、帽子、首元に巻いたスカーフの質感、ジョッキージャケットにパンツ、鞭を持つ手、そして乗馬ブーツを履いた足は今にも動きそうに、立体的に細かく彫金してあります。

トロット・アテレの2輪車へ座った姿でしょう、これから始まる競技を待っている感じが表れています。

このピンを作った宝飾師は、ジュエラーであると同時に彫刻家と言えるでしょう。

余談ですが、トロット・アテレの馬は、最速で走ることが重要なサラブレッドではなく、速歩の得意な馬種トロッターが競技をするそうです。
トロッターはサラブレッドより丈夫でがっしりとした体躯で、比較的温厚な性格の馬です。
そういえば、グローブトロッターという旅行用トランクメーカーがありますが、「丈夫なバゲージで、地球を速歩で駆け回る」という意味ですので、ぴったりの名前ですね。(グローブトロッター社の宣伝ではありません…)

トロット・アテレ

この小さなピンに、立体的な彫金はもとより、背景や古代からの歴史がたくさん詰まったフランスのアンティークジュエリーです。

フランス 19世紀後期
素材: 18金
サイズ:L9.4cm  
トップH2.0cm x W1.4cm x D0.8cm
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Pin Brooch
France late 19th century
Material: 18K Gold
Size: L9.4cm
Top H2.0cm x W1.4cm x D0.8cm
Price : Please contact us ▽

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