N°0521 ディオニュソス神 アガトダイモーン化身蛇 アンティークペンダント

フランスの19世紀前期のアンティーク ペンダントをご紹介いたします。
地中海珊瑚にディオニュソスが彫刻され、金銀と宝石で蛇型の首飾りを装飾しています。

ディオニュソスは、古代ギリシャ神話の葡萄とワインの神様です。
古代ローマではバッカス(バックス)と呼ばれています。
全能の神ゼウスの息子で、古代ギリシャより前からの豊穣神が、古代ギリシャ神話へ伝わったという云われもある太古の神です。
下は紀元1世紀のポンペイ遺跡のモザイクで、聖獣パンテールに乗りワインの杯を持ったバッカスが中央に、まわりには豊かな実りと祝祭劇の仮面が飾ってあります。

バッカス神のモザイク 古代ローマ時代 ナポリ国立美術館蔵 アンティークジュエリー&オブジェギャラリー ルーヴルアンティーク
バッカス神のモザイク 古代ローマ時代 ナポリ国立美術館蔵

 

トップには、18金フレームでエメラルドを、銀フレームでダイヤモンドをセッティングしたペンダントチェーンを通すパーツがあり、

蛇は銀製フレームにダイヤモンド、18金製の頭部にはエメラルドを、目にはルビーをセッティングしています。
素晴らしいのは蛇が、縦10mm、幅8mmのポワール(洋梨)型の天然真珠をくわえ、

真珠を蛇の口の中にバーとリングでセットすることによって、揺れるように作ってあることです。

カメオは約3.6-3.8cmです。
珊瑚にこの大きさと凹凸のカメオを彫るには、仕上がりサイズの2倍の珊瑚が必要なことから、昔の海の豊かさがわかりますし、当時でもこのような大きな珊瑚は稀で、高価でした。
カメオは、背後に18金のバーで固定してあり着けやすい形です。

さて、どうして蛇のモティーフが飾ってあるのでしょうか。

それは、蛇は、ディオニュソス(バッカス)の聖獣であること、そしてアガトダイモーンの化身であるからです。
「アガトダイモーン」とは、古代ギリシャ神話では葡萄と穀物の守神として、幸運と健康と知識の「善霊」で、芸術では、蛇や豊穣のシンボルを持った若者の姿であらわしました。
例えばこの紀元1世紀のポンペイ遺跡壁画には、葡萄をつけたバッカスと、蛇に化身したアガトダイモーンが描いてあります。

バッカス神と蛇姿のアガトダイモーン

 

200年近くを経て、なお艶やかな珊瑚と天然真珠と、フランスのアンティークジュエリーらしい色彩美しさもこのペンダントの魅力になっています。

ペンダント似合う18金製のアンティークチェーンやコードは、ご紹介いたしますのでご相談ください。

フランス 19世紀前期
素材:珊瑚・エメラルド・ダイヤモンド・天然真珠・ルビー・18金・銀
サイズ:L7.5cm W3.8cm
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France early 19th century
Material: Coral, Emeralds, Diamonds, Natural pearl, Ruby, 18K Gold, Silver
Size: L7.5cm W3.8cm
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