N°1298 ファニエール・フレール作 – 天使 アンティークブローチ
19世紀フランスのジュエラー「ファニエール・フレール 」作のアンティークジュエリーをご紹介いたします。
〝 ファニエール・フレール 〟のフレールとは兄弟のことで、フランソワ=オーギュスト(1819-1900)とジョゼフ=ルイ・ファニエール(1820-1897)の兄弟によって1839年にパリへ創立し、ナポレオン3世皇帝時代の彫金作品も創作した宝飾メゾンです。
兄弟は、叔父の宝飾師の元で修行し、デッサンに優れたフランソワ=オーギュストと、彫金に優れたジョゼフ=ルイは、瞬く間にパリの高位のジュエラーとなり、ルネサンス様式のジュエリーを中心に創作しています。
また、ヴィエズ、フロマン=ムーリスなどのフランス宮廷の御用達のジュエラーとも仕事をし、多くの展覧会で受賞、1862年、1878年、1889年のロンドン博覧会では金銀彫刻の作品群へ金賞を受けています。その後1911年までジョゼフ=ルイの息子ジェルマンがメゾンを継ぎました。
この銀へ彫刻したブローチは、ルネサンス時代に絵や彫刻に表された〝 プット 〟で、子供の姿の天使です。
下のルネサンス時代の図では丸々とした子供の天使が描いてありますが、19世紀のネオ・ルネサンス様式では、いにしえの天使の図にインスピレーションを受けてこのようなブローチが作られました。

幅47mm、縦23mmのサイズで、厚みのある銀へ宝飾師による彫金で作り上げてあり、側面から見ますと、より立体感のある見事な彫金がわかります。
ピンは18金製で、後ろ面中央下にメゾンのサインがあります。
また、着けた時に、翼の裏の部分が見えるところまで羽根の彫金がしてあります。
巻いた髪の質感、ダイナミックな翼、今にも話しだしそうな表情は、「彫金のファニエール」と言われたメゾンならではの力量で作ってあります。
全体に軽くいぶし銀の表面効果をつけてあり、それが素晴らしい彫金を引き立てています。
ルネサンス時代的と言えるのは、愛と喜びを広める守護天使(プット)が、ただ愛らしいだけではなく、少し意地悪でこましゃくれた感じがあり、時にはカオスも引き起こす、善と悪の両方を持ち合わせた天使を表していることです。

19世紀の高いフランスの彫金技術による銀の彫刻作品で、守護として、男女問わず楽しめる渋い輝きが魅力のアンティークブローチです。
◯ ファニエール・フレール(ファニエール兄弟)ジュエラー_宝飾商
フランソワ=オーギュスト(1819-1900)とジョゼフ=ルイ・ファニエール(1820-1897)の兄弟により1839年にパリへ創立し、ナポレオン3世皇帝時代の彫金作品を主とした著名な宝飾メゾンである。兄弟は、叔父の宝飾師の元で修行し、デッサンと彫刻に優れたフランソワ=オーギュストと、彫金を専門にしたジョゼフ=ルイは、瞬く間にパリの高位のジュエラーとなる。
主にルネサンス様式を創作し、モティーフでは天使、女神、神話のニンフ、シメール(キメラ)などの想像の動物を丸彫やレリーフで作り上げ、ジュエリーではエマイユ、真珠、カラーストーンなどで飾っている。
19世紀のフランスを代表するジュエラーでフランスのナポレオン3世皇帝の宮廷御用達のヴィエズ、フロマン=ムーリスからも仕事を依頼され作品を残している。1855年にはフランソワ=オーギュストが、1878年にはジョゼフ=ルイがレジオンドヌール勲章の各位を受けている。その後も多くの展覧会で受賞し、フランスを代表するジュエラーのひとつとして、1862年、1878年、1889年のロンドン博覧会では金銀彫刻の作品群へ金賞を受けている。その後ジョゼフ=ルイの息子ジェルマンがメゾンを継いだが、1911年にメゾンの扉は閉められた。
フランス 19世紀中期
ファニエール・フレール作
素材: 銀・18金
サイズ:L4.7cm W2.3cm
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Brooch
Jeweler: Fannière Frère
France Middle 19th century
By Fannier Freres
Material: Silver, 18K gold
Size: L4.7cm W2.3cm
Price : Please contact us ▽