N°1427 ファリーズ – ダイヤモンドアンティークペンダント・ブローチ

19世紀のフランスの宝飾メゾン「ファリーズ 」の、ダイヤモンドを前面にセッティングしたアンティークジュエリーをご紹介いたします。

これはペンダント、ブローチに着けられる作品です。
素晴らしいのは、ペンダント、ブローチの各パーツを自身で取り外しができる仕組みで、著名なメゾンならではの高度な宝飾技法で作ってあるトランスフォームジュエリーであることです。

(チェーン:参考品)

 

本体のサイズは縦4cm、幅3cm、トップはモノグラムの「L」と植物文のガーランド様式(文様やモティーフが連なるデザイン)をシメントリーにした装飾モノグラムを銀フレームで作り、ダイヤモンドを全面にセッティングしています。

ペンダントに着けますと上のような感じで、チェーン通しのリングは外径8.5mmです。

下にはフレーム含めたサイズ7mmのダイヤモンドが揺れています。

ブローチでは、トップにあったチェーン通し用リングを取り外し、ピン式のブローチパーツをセットし、このように着けられます。

ブローチにした時の裏側をご覧ください。
裏面は18金製で、表側の銀フレームとはフランスの宝飾技法により融合させてあります。

中央に見える縦のバーとブローチピンのパーツを本体へ付け外しすることでブローチに、またリングパーツをセットすることでペンダントに着けられる仕組みです。

そしてこのアンティークジュエリーのもう一つの素敵なことに、シードパール(小さな天然真珠)をフランス語で縄目を意味する「トルサード」型に編み込んだネックレスが付属していることがあります。

粒揃いの艶やかなシードパールで、そのうえ長短の2本が付属しており、1本で長さ35.8cmでチョーカー風に、2本を18金製の留め具で繋ぎ胸元で揺れるサイズ感の53.8cmで着けられます。

このジュエリーは19世紀中期のナポレオン3世皇帝時代のジュエリーです。
当時のウージェニー皇妃の王朝趣味から、ブルボン王朝やマリー・アントワネット王妃好みの植物やモノグラムをデザインした、繊細なダイヤモンドジュエリーが好まれました。

ダイヤモンドと天然真珠の輝きが、まるで白いドレスのような優雅な印象で、

チェーン用リングとブローチパーツは双方が取り外し可能のつくり、長短・長さ調整可の天然真珠のネックレスが付いているのも魅力のアンティークジュエリーです。

このアンティークジュエリーをお求めの方へ、18金製のチェーンはご紹介いたしますので、お問い合わせください。

◯ ファリーズ FALIZE ジュエラー_宝飾商
フランスのジュエラーで1838年にアレクシス・ファリーズ(1811-1898)が創立。息子のリュシアン・ファリーズ は父とともにメゾンを支え、父アレクシスは1876年に引退し、ファリーズ 3兄弟がメゾンを継いでいる。
メゾンは19世紀中頃からヨーロッパ宮廷や富裕なブルジョワ層を顧客に隆盛し、特に中世、ルネサンス時代の様式からインスピレーションを受けた作品を得意とし、ナポレオン3世皇帝時代には、ヨーロッパの王侯貴族や富豪の顧客が名を連ねる。1860年代以降には息子のリュシアンがアレクシスと仕事をしている。父アレクシスがそうであったように協力者を選び、東洋美術に影響を受けたジャポニズムのジュエリーを作り、クロワゾネ・エマイユを使ったジュエリーを創作をしており、1867年のパリ万国博覧会へ出展、1878年の万国博覧会では、グランプリを受賞している。19世紀後期には特にエミール・ガレとも協力し、ジュエリーや金細工におけるアールヌーヴォーの発展に重要な役割を果たした。

(ファリーズのジュエリー_アレクシス・ファリーズ の肖像)

 

金細工、エマイユ、彫刻的な作品に高い評価があり、ジュエラーとしての隆盛は衰えず、ヨーロッパ全土の宮廷のティアラや宝飾品の注文を受けている。皇帝一家のボナパルト家、英国のヴィクトリア女王、ロシア皇室、エジプト王ファード、スペイン王アルフォンス3世、セルビア王ピョートル1世など、名だたる顧客を抱えていた。メゾンはリュシアンの息子アンドレが逝去する1936年まで続いていたが、逝去後、扉は閉じられた。

◯ ナポレオン3世皇帝時代_19世紀中期_第二帝政時代_ウージェニー皇后_フランス

フランスの1852年〜1870年まで続いた第二帝政時代。1848年にナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世皇帝)の甥であるルイ・ナポレオンがフランス第二共和制の大統領となり、1851年に政権を掌握し1852年にナポレオン3世皇帝となった。皇后はスペイン貴族のウージェニーである。
自由帝政のもとで商業や金融、文化の発展に力を注ぎ、産業革命によりフランスの経済発展に大きな効果をあげ、イギリスとも協調しフランスの国際的地位を高めるなど、政治的敏腕の持ち主であった。鉄道の整備やオスマンの指揮のパリ改造計画により、中世の建造物からオスマン建築へ変化させ、道路に水を流す街路清掃システムやガス灯の整備、オペラ座、コンコルド広場といった現在のパリの姿が作られた。ウージェニー皇后の18世紀宮廷貴族好みから、ブルボン王朝の豪華な装飾品が様式として作られ、歴史主義、古代主義、ルネサンス時代様式など、古来にインスピレーションを受けたジュエリーが作られる。19世紀以降、宝飾技術が発展し、さまざまなテクニックを使った精緻なジュエリーが作られ始めたが、ナポレオン3世皇帝時代は産業革命により道具や精密機器の創作とともにより高度となった。普仏戦争による疲弊でフランス第三共和制へ移り、皇帝時代は終わりを迎える。現在、フランス繁栄の基礎を築いた時代として評価されている。

◯ ルーヴルアンティーク - 備忘録
今回ご紹介のファリーズ 作品の時代の、ナポレオン3世皇帝妃「ウージェニー」は、19世紀のマリー・アントワネット、といわれるほどの王朝好みの当時のファッションリーダーで、英国の「ヴィクトリア女王」の親友でもありました。
当時は皇妃と女王、2人の好みがヨーロッパ宮廷のお手本となっていたそうです。
この時代のアンティークジュエリーの優雅な雰囲気をお楽しみください。

ジュエラー:ファリーズ
フランス 19世紀中期
素材: ダイヤモンド・18金・銀・天然真珠
トップサイズ(本体):L4.0cm W3.0cm
天然真珠ネックレスサイズ:L35.8cm / L53.8cm
価格問い合わせ ▽

Jeweler: FALIZE
France, mid-19th century
Materials: Diamonds, 18K Gold, Silver, Natural pearls
Top size: L4.0cm W3.0cm
Natural pearls necklace: L35.8cm / L53.8cm
Price : Please contact us ▽

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