N°0975 カステラーニ・ピクラー – ダブルサインピース アンティークロケットペンダント

19世紀のジュエラー、カステラーニのアンティークペンダントをご紹介致します。
これはインタリオをセッティングしたロケットペンダントで、インタリオは18世紀後期から19世紀初期の彫刻師「ピクラー」作です。
カーネリアン石にヘルメス神(メルクリウス)が陰刻してあります。

ピクレー インタリオ

「ピクラー」は18世紀後期から19世紀初期に、フランス皇帝ナポレオン1世やイギリス王ジョージ3世の為の王室御用達彫刻師で、フランスやイギリスなどのヨーロッパの装飾美術館にその作品が保存されています。
サイズは縦40mm、フレーム込みの幅が28mmです。

ヘルメス神は古代ギリシャ神話のオリンポス12神の一人で、旅人や商業の守護神、冥界と神々の伝令師です。
翼のついた兜やサンダルを付け、翼と2匹の蛇が取り巻いた「カドゥケウスの杖」を携え、手元には豊かさのシンボルの「コルヌコピア(豊穣の角)」と葡萄が彫ってあります。
下にはピクラーのサインがあります。

ヘルメス神 ティエポロ画 1741年 クレリチ宮殿 ミラノ

 

カーネリアンは赤褐色の半透明部分を使うことが多いのですが、このインタリオは、乳白色の色層のあるオレンジ系のカーネリアンで、王侯の彫刻師ピクラーが選んだ稀少な石と言えるでしょう。

フレームは18金製、カステラーニ特有の古代様式の、蛇が取り巻いたデザインです。
2匹の蛇がお互いの尻尾を加えた図像は「ウラボノスの蛇」と言い、永遠、万有の反復のシンボルで、生命力を表しており、ヘルメス神の蛇が巻き付いた杖とも関連性があります。
ロケットは後ろ側にあり、下の画像の、横から見える蝶番からわかるように扉型の開閉式です。

ロケットを開けますと、内部にはもう一つ蝶番式の18金フレームへガラスをセットした扉と、カステラーニの刻印が見えます。

18世紀後期から19世紀初期のピクラー作のインタリオを、19世紀中期にカステラーニがロケットペンダントに仕立てた作品で、18金製のアンティークチェーンや、古代風にコードで着けられると素敵なアンティークジュエリーです。

※ ピクラー
ピクラー一族は、イタリアの宝飾彫刻師で、父アントン・ピクラー(1697–1779)、2人の息子ジョヴァンニ(1734-1791)とルイジ (1773-1854)による工房である。父は現在の北イタリアからオーストリア圏出身で、イタリアのナポリで修行を積み、主にローマで活動をした。
18世紀にはフランスのブルボン家や、ナポレオン1世皇帝、神聖ローマ帝国のローマ皇帝ヨーゼフ2世への作品を作っている。
古代遺跡の発掘品から多くのインスピレーションを得たカメオやインタリオを創作しており、ロンドンのブリッティッシュミュージアムやパリの国立文書館などが作品が所蔵している。

※ カステラーニ
19世紀イタリアの宝飾師フォルトゥナート・ピオ・カステラーニ(1794-1865)がローマに設立した息子アレッサンドロ(1823-1883)、孫息子オーギュスト(1829-1914)の3代に渡り存続した宝飾工房及び宝飾商。アレッサンドロが1860年パリのシャンゼリゼに、1870年にロンドンに宝飾店及び工房を開業。
古代エトルリア遺跡で発掘された宝飾品や、古代ローマの彫刻作品に傾倒し、コレクションをして失われていた古代の金細工技法のグラニュレーションを復刻させ、古代様式のジュエリーを創作した。
現在、大英博物館、ヴィクトリア&アルバート美術館、パリ装飾美術館などに所蔵されている。

インタリオ:ピクレー 18世紀後期-19世紀初期
フレーム:カステラーニ 19世紀中期
素材:カーネリアン・18金
サイズ: L4.0cm W2.8cm D0.9cm
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Pendant Intaglio
Intaglio: Pichler (Pixler), late 18th and early 19th century
Frame: Castellani, mid-19th century
Material: Agate,18K gold
Size: L4.0cm W2.8cm D0.9cm
Price : Please contact us ▽

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