N°1330 フランス庭園のブーケ 18金 シャンルヴェ・エマイユ ダブルフェイスアンティークペンダント

フランスの希少な19世紀前半のアンティークジュエリーをご紹介致します。
これは1815~30年頃の、王制復古時代のペンダントです。
このペンダントの魅力はシャンルヴェ・エマイユ技法とダブルフェイスであることで、表側は、黒地にアカントスの葉金文様の縁取りに、楕円フレームへブーケ装飾のシャンルヴェ・エマイユ製で、チェーン通しには天然真珠がセットしてあります。

フランス庭園のブーケ 18金 シャンルヴェ・エマイユ ダブルフェイスアンティークペンダント

シャンルヴェ・エマイユは、日本では「生地彫り七宝」と呼びますが、土台の18金へ模様に添って彫金で凹凸をつけ、凹へ、凸の金属と同じ高さになるまで何度もエマイユ焼成し、その上で表面の研磨を重ねて仕上げています。
いろんな文様を18金とエマイユで描いたように仕上がり、エマイユの色彩も単色から多色、透明から不透明まで様々なテクニックが使えるため、見た目に凝ったデザインが出来上がる、エナメル技法の一つを使っています。

中でもこのペンダントのシャンルヴェ・エマイユは凝っています。
まず、表に見えている金色の部分は、全てが土台の18金を彫る時に凸に残した部分であることに注目です。
つまり、縁取りの黒い部分と内部の楕円形の部分を別に作っているのではなく、見えている全ての18金は彫って作った土台とつながった凸模様で、その周りの凹へエマイユを施して仕上げているという訳です。

その上、楕円形のフレームにはギザギザ文様を彫り、花の中の土台には線彫りを入れ、トランスルーセント(半透明)のエマイユをつけていますので、線彫りが透けて見える作りで、線の凹凸が光に当たって宝石のように輝きます。

上の拡大画像でみますと、縁取りの葉はまるで黒のエマイユの上から貼り付けたように見えますが、これもすべて彫金でこの葉の形を作っているのです。
また、ブーケの花や葉、茎はわずか1mm弱の線を凸に彫り出しています。

また、エマイユは全8色、
色によって焼成温度が違うため、焼成し、凸の高さまでエマイユを仕上げた後に研磨することを、色を変えるごとになんども繰り返し仕上げています。
その仕事量と緻密さは、アンティークジュエリーならではです。
また、花びらの中に濃淡2色を使い、陰影を出していますが、これも少しでも温度を間違えると、先につけた色が破損する恐れがありますから、高い七宝技術であることがわかります。

エマイユの反対側は、ガラスで閉じられドライフラワーが入っています。(チェーン通しにあるのはフランス18金刻印)

大切な思い出の花々を、このペンダントへセットしたメモワール(思い出)ジュエリーかも知れませんし、エマイユのブーケ文様に合わせて、好きな花を閉じ込めたのかも知れません。

ガラスはほんの少し凸面でしっかりと固定されており、花の色が綺麗ですのでこちら側を表に着けられても素敵です。
エマイユ側も、中央に向かって少し膨らみのある凸面型です。

楕円形の乳白色エマイユの中に、デリケートな中間色のトランスルーセント・エナメルが施してあり、黒と18金の葉文様の縁取りが引き締めています。
フランスの1815~30年頃のアンティークジュエリーは、18世紀の王朝時代のロマンティックな雰囲気を表しており、角丸の長細い八角形が綺麗ですし、さまざまな長さの18金製のチェーンで着けられると素敵です。

画像のチェーンは参考品ですが、アンティークチェーンをご紹介致せますので、お問い合わせ下さい。

◯ エマイユ・シャンルヴェ_エナメル_七宝
土台となる金属を彫金し、凹凸をつけ、凹へ、凸の金属と同じ高さになるまで何度もエマイユ焼成をし、その上で表面の研磨を重ね、凹凸が同じ高さになるよう仕上げるエマイユ技法。彫刻のパターンによって、様々な文様を金属とエマイユで描いたように仕上がり、エマイユの色彩も単色から多色、透明から不透明まで様々なテクニックを使えるため、見た目に凝ったデザインが出来上がる。フランス語では「エマイユ・シャンルヴェ」、英語では「シャンルヴェ・エナメル」、日本では「生地彫り七宝」と呼ばれる。

◯ フランス王政復古時代_19世紀前期_シャルル10世王_ルイ18世_ルイ・フィリップ王
1814年のナポレオン1世皇帝の失脚後、1830年まで続いたブルボン王朝による立憲君主制。
まずルイ18世が復位した。ルイ18世は18世紀前期のルイ15世の孫で、兄はルイ16世、1755年にヴェルサイユ宮殿で誕生する。逝去後の1824年に弟のシャルル10世が続いた。シャルル10世王はマリーアントワネットとも仲良く、もっとも王らしい王と言われる。
1830年までの王政期には、18世紀のブルボン王朝様式やマリーアントワネット好み、中世、ルネサンス時代様式が復活し、ネオ・ゴシック、ネオ・ルネサンスといった工芸美術が流行する。1830年にはオルレアン王朝のルイ・フィリップ王が即位し1848年まで在位した。
一般には、1814-1848年を「フランス王政復古時代」と呼ぶ。

フランス 19世紀第二四半世紀
素材: エマイユ・18金・天然真珠・ガラス
サイズ:L3.9cm W2.0cm
価格問い合わせ ▽

Pendant
France early 19th century
Material: Enamel, 18K gold, Natural pearls, Glass
Size: L3.9cm W2.0cm
Price : Please contact us ▽

お問い合わせ

一覧に戻る

こちらもおすすめ

ページの先頭へ