N°0928 シャルル10世王時代 エマイユ飾り&編み文様アンティークソートワール
現存が大変珍しい、フランスの王政復古期の18金製のロングネックレスをご紹介いたします。
王政復古期とは、19世紀のはじめに、フランス革命で一旦断ち切られたブルボン王朝が、再び王権を持った時代です。(詳しくは※下記参照)
このネックレスは、ブルボン家の血を引くシャルル10世王の時代の、1820年〜1830年代のアンティークジュエリーです。
長さは83cm、
このロングネックレスの素敵で希少なところ、それはこの時代ならではのチェーンの作りと、エマイユを施した留め具と、チェーンをつないでいる3カ所の飾りモティーフにあります。
円筒型の飾りモティーフ、
エマイユを施した留め具は長方形のケース型で、差込式でしっかりと開閉できます。
ケースには、花の彫金飾りと、フレームへ飾り彫金をつけ、花へ白と青、葉には緑のエマイユ(七宝)を施しています。
白と青、そして黄金の配色はブルボン王朝の色で、この時代のエマイユにたびたび登場しています。
エマイユは、彫りの凹部分全てに入れず、ところどころ18金の彫りを残し、陰影をつけているのがフランスのジュエリーらしいシックな感覚です。
上の留め具は3つのリングで円筒型のモティーフへつないであり、下の3カ所の円筒型のモティーフ部分は、2つの円筒型リングで繋ぎ、円筒型のモティーフへ、編み文様のチェーンをセットしたつくりです。
このような編み状のチェーンはリングではつながず、専用のパーツを作り、その上、83cmの長さの中で、チェーンがしっくりと収まるように3カ所にセッティングしています。
そのため着けますと、綺麗な落ち感が出ます。
チェーンは、18金の線状の物を、まるで編んだように交差させて作ってあります。
組紐のようにしなやかで着け心地も良く、しかし18金製の宝飾作品ですからしっかりとしています。
より拡大してみますと、硬い金属をこのように仕上げるとは、一体どのようにして作ったのか、当時の宝飾師の技術の高さと時間のかけ方に驚くばかりです。
1820年〜1830年代は、18世紀ブルボン王朝時代にインスピレーションを受けたジュエリー が作られました。
貴婦人たちの装いも、ナポレオン1世皇帝時代の古代ローマやギリシャ様式を受け継ぎつつ、宮廷の復興で、下の肖像画のような、ボリューム感をつけたロマンティックな装いに変わり、ジュエリーも、凝った宝飾技術を使った華奢で優雅なデザインです。
このロングネックレスもしかり、この時代ならではのアンティークジュエリーと言えます。
このような繊細なデザインと宝飾技術は、フランスのアンティークジュエリーならではです。
1820年から1830年代頃のアンティークジュエリーは、ナポレオン1世皇帝から王政復古期へと、変化の大きな時代背景のため、あまり数多くは作られていませんでした。
その上、後世に貴金属を溶かしてしまった事も多く、現存しているものは少ないのですが、このネックレスは大変コンディションも良く、古代シンボルからインスピレーションを得つつ、オリジナリティのあるアンティークジュエリーで、時代的にも希少なネックレスです。
凝った作りの美しさと、当時ならではの繊細さが魅力です。
特にこのような凝ったネックレスは、身につけ方で、日常にフォーマルにと活躍してくれます。
大人の方のためのフランスのアンティークロングネックレスです。
◯ フランス王政復古時代_19世紀前期_シャルル10世王_ルイ18世_ルイ・フィリップ王
1814年のナポレオン1世皇帝の失脚後、1830年まで続いたブルボン王朝による立憲君主制。
まずルイ18世が復位した。ルイ18世は18世紀前期のルイ15世の孫で、兄はルイ16世、1755年にヴェルサイユ宮殿で誕生する。逝去後の1824年に弟のシャルル10世が続いた。シャルル10世王はマリーアントワネットとも仲良く、もっとも王らしい王と言われる。
1830年までの王政期には、18世紀のブルボン王朝様式やマリーアントワネット好み、中世、ルネサンス時代様式が復活し、ネオ・ゴシック、ネオ・ルネサンスといった工芸美術が流行する。1830年にはオルレアン王朝のルイ・フィリップ王が即位し1848年まで在位した。
一般には、1814-1848年を「フランス王政復古時代」と呼ぶ。
フランス 1820-1830年代頃
素材: 18金・エマイユ
サイズ:L83.0cm
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France 1820-1830s
Material: 18K Gold, Enamel
Size: L83.0cm
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