N°0835 古代インタリオ付 竪琴型 アンティークペンダント

古代ローマ時代のインタリオをセッティングした、フランスのアンティークペンダントをご紹介いたします。
ペンダントは「古典様式」の縦9.1cm、幅3.4cmの竪琴型で、ナポレオンが台頭した1795年頃から皇帝時代の1815年頃の作品です。
竪琴は、ギリシャ神話のアポロン神のシンボルです。

(詩と芸術の神アポロンと女神ウラニア 1789年フランス シャルル・メニエ作 クリーヴランド美術館蔵)ルーヴルアンティーク アンティークジュエリー&オブジェ専門店
(古典様式の絵画 / アポロン神と女神ウラニア 1789年フランス シャルル・メニエ作 クリーヴランド美術館蔵)

 

全て彫金で作り上げた18金製のフレームへ、天然真珠やダイヤモンド、カーネリアン石をセットしています。
中央の菱形のカーネリアンには、楕円形の銀にダイヤモンドのフレームがありますが、これは菱形のカーネリアンをフレームの形に彫って、セットしてあります。

中には古代ローマ時代、紀元後2-3世紀のカーネリアンの「アポロン神」のインタリオをセットしています。
台座のカーネリアンはインタリオより少し薄めの色石を使ってあり、アポロン神を引き立てているのがわかります。

竪琴のフレームは、外側がフラットで、内側には縄編み状の彫金細工をつけたフレームで、天然真珠をセッティングしてあります。
また、上下のフレームを凹に彫り、黒のエマイユをつけています。

裏面もこのように美しい仕上げです。

拡大しますと、繊細な細工がより詳しくわかります。

チェーンのリングをご覧ください。
リング一つ一つにも縄目状の彫りがあるのがわかりますし、1つのリングは長めの楕円形を折り曲げて作ってあり、それをひとつひとつ繋いでいるのです。

18世紀末から1800年代初期は、建築から装飾品にいたるまで使われており、それは以前から続く古代ギリシャやローマ様式を取り入れた古代的なデザインの「古典様式」でした。

下のレカミエ夫人(1777年-1848年)は当時流行していたギリシャ風の衣装をまとい、古代風の燭台や長椅子が見られます。レカミエ夫人は当時のパリでサロンを開き、教養人や政治家、旧貴族たちと交流をもった文化の花形で、ナポレオンとの関係や美しさで歴史に名を残した女性です。

(古典様式の絵画 / レカミエ夫人 ジャン=ルイ・ダヴィッド作 1800年 ルーヴル美術館蔵)

 

精緻なフランスの宝飾技術によって、クラシックな美しさをペンダントに仕上げています。

音楽を感じる竪琴の形や、天然真珠やダイヤモンド、曙の光を思わせる半透明のカーネリアンも魅力の、フランスの古典期のアンティークペンダントです。

チェーンは参考品ですが、お好みの長さをご提案いたせますのでご相談ください。

◯ 古典様式_クラシック_古典主義
古代ギリシャや古代ローマ時代の哲学、科学技術、芸術を「古典」として、優美と調和、端正で安定を基本とした様式をさす。
1300~1500年代のルネサンス文化よって、キリスト教文化へ「古典」を取り入れたのち、1600年代にはバロック様式がイタリアやオーストリア・ゲルマン圏に広がりを見せたが、フランスではバロックよりも古典様式が主となり、ルイ14世が1600年代末に建設したヴェルサイユ宮殿は古典様式の典型である。また、ルイ14世が創設したフランスの芸術アカデミーは古典様式の基本を打ち立て、ヴェルサイユ宮殿の建築、装飾が行われた。1700年代中頃からヨーロッパ王侯貴族はヴェルサイユ宮殿に憧れ、各国に似た宮殿を建てた。このようにルネサンス文化から引き継いだフランスの古典様式の建築が、文学、音楽、装飾芸術とともにヨーロッパへ広がった。
ジュエリーでは、古典的なカメオ、インタリオをはじめ、古代の遺跡から発掘された宝飾品にインスピレーションを受けたデザインがあり、装飾には古代建築にある縁取りのフリーズ、マスカロン、古代の神像、月桂樹の冠、リボン結び、ガーランド、珠飾り、ギリシャ文様などがデザイン、彫金、エマイユで取り入れられている。古典様式は1600年代後半から1800年代へ、ヨーロッパ美術の基本として、1700年代後半のルイ16世王とマリーアントワネット王妃の時代から、フランス革命後のナポレオン1世皇帝時代へと隆盛していく。なお、1700年代後半から1800年代初期の古典様式は、それ以前の様式に写実性を加えたフランス独自の古典様式の集大成として、完成した様式美を作り上げており、「ルイ16世様式」「新古典様式」と呼ぶ。

◯ ナポレオン1世皇帝時代_第一帝政時代_ジョゼフィーヌ皇后_フランス
ナポレオン1世皇帝とは、1804年5月から1815年在位のフランス皇帝である。
ナポレオン・ボナパルトは1769年コルシカ島生まれのフランス貴族で、軍人となった後に数々の遠征で名声を高め、フランス革命後のパリで第一統領となり、フランス革命を終わらせる。その後1804年には国民投票で承認されたナポレオン1世皇帝として即位をし、英雄としてヨーロッパ大陸を統一するほどに君臨した。即位と同時にナポレオン自らが法の下の平等や自由を編纂した民法典「ナポレオン法典」を発布し、今もその原理はフランスの法律に生きている。1800年前後の時点では他国に先駆けた現代的な法典であり、天才的な指導力と人望を得たナポレオンの才能を示している。しかしロシア遠征から失脚し1815年に帝政が終わり、1821年にはセントヘレナ島で逝去した。
フランス革命の自由平等を実現する皇帝として人々の希望となり、ベートーベンが「英雄」を作曲したことが知られている。ナポレオン1世は自らを古代ローマ皇帝と位置づけ、この帝政時代に宮殿は古代のスタイルで整えられる。皇后ジョゼフィーヌは非常に贅沢な人物で当時のファッションリーダーで、ジュエリーやドレスなどの装いや室内装飾の趣味に秀でていた。古代ローマの白い布を巻きつけるトーガと呼ぶ装いや月桂樹の冠、、宮廷の古代彫刻、カメオ、インタリオのコレクション、古代ローマ時代の建築物や装飾品にインスピレーションを受けた様式が流行し、ルイ16世王時代からの、端正な美しさの新古典様式を踏襲した帝政時代様式が確立している。

◯ ナポレオン1世様式_帝政様式_アンピール_エンパイア_フランス
1804年〜1815年のナポレオン1世皇帝時代の古典様式をさす。アンピールはフランス語で帝政を意味し、英語読みがエンパイアである。ナポレオンは自らをローマ帝国皇帝の後継者と位置づけし、古代ローマ帝国の建築、遺跡発掘品、装飾に影響を受けた様式を作った。端正で重厚、均整の取れた完成した美しさで、フランスの有名な建築では、カルーゼル凱旋門、エトワール凱旋門、マドレーヌ寺院、現在ジュエラーの集まるヴァンドーム広場があり、いずれも古代ローマ時代の建築がもとになっている。
装飾ではギリシャ・ローマ建築のモティーフに加え、古代エジプト様式も取り入れている。ジュエリーでは、古典的なカメオ、インタリオをはじめ、古代の遺跡から発掘された宝飾品にインスピレーションを受けたデザインがあり、装飾には古代建築にある縁取りのフリーズ、マスカロン、古代の神像、月桂樹の冠、リボン結び、ガーランド、珠飾り、ギリシャ文様などがデザイン、彫金、エマイユで取り入れられている。
当時のファッションリーダー「ジョゼフィーヌ皇后」が、古代の白い布を巻きつける衣装トーガから影響を受けた白い薄手モスリンのハイウエストのアンピール・ドレスに、インドのカシミール織物ショール、古代風のサンダルを履き、カメオや宝石を連ねたネックレス、イヤリング、ブレスレット、リングのパリュールを着けたスタイルは、ヨーロッパ宮廷へ流行した。ジョゼフィーヌ皇后がフランスの有名なジュエラーでナポレオン宮廷御用達の「ショーメ」へ、アンピールスタイルのティアラを注文し正装に着けたのち、ティアラがヨーロッパ王族の女性の礼装の一つとなったと言われている。なお、ナポレオン1世皇帝時代の古典様式を「新古典主様式」と呼ぶ。

ペンダント:フランス 18世紀末-1800年代初期
インタリオ:古代ローマ時代 紀元後2-3世紀
素材: 天然真珠・ダイヤモンド・カーネリアン・18金・エマイユ・銀
サイズ:L9.1cm W3.4cm
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Pendant: France, late 18th century - early 1800s.
Intaglio: Roman, 2nd-3rd century AD.
Materials: Natural pearls, Diamonds, Carnelian, 18carat Gold, Enamel, Silver.
Size: L9.1 cm, W3.4 cm
Price : Please contact us ▽

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