N°1526 古代ムガル カリグラフィーインタリオ ダブルフェイス
19世紀中期のフランスのアンティークペンダントをご紹介いたします。
このペンダントはダブルフェイスで、まず片面は18金製、厚みのある18金板を宝飾師が彫り上げ、縁取りには透かし装飾をつけています。
中央の鳥は「フェニックス」で周囲には植物紋が彫金してあります。
フェニックスとは不死鳥のことで、古代エジプトから古代ギリシャへ、そして古代ローマやアラビアまで広がったシンボルで、寿命を迎えると自ら炎に飛びこみ灰となるが、再び蘇るという伝説がある、永遠の時を生きる鳥です。
宝飾師による浮き彫り彫金で、凹の部分は槌打ち技法で大変細かい粒状の模様を付け、艶消しの感じを出し、凸の部分は艶仕上げにし、縦35mm(上部リング除く)、幅23mmの中に、見事な立体感を表しています。
もう片面は、トルコ石のインタリオがセットしてあります。
インタリオは、16 – 17世紀のムガルの美的書体(カリグラフィー)を陰刻しており、文字の解析は不明ですが、縁取りには星が見られます。
チェーン通しは片側はダイヤモンドがセッティングしてあり、反対側は18金で、回転させてどちらの側にも見せることができます。
ムガル帝国は、16世紀の初めにアフガニスタンから侵攻したバーブルが北インドに建国しました。
モンゴル=トルコ系のティムール王朝の5代の孫に当たるバーブルが、1526年に北インドに開いた王朝で、16世紀〜17世紀末には最盛期となり、現在の北インド、パキスタン、アフガニスタンの一部、バングラディシュを含むインド全領域を支配していました。
18世紀後半にはイギリスの植民地化が進み、1868年に帝国は滅亡します。
トルコ石は、王や高位聖職者達が特別なパワーを持つ石として珍重し、その色から天空と星のシンボルとされ神々に捧げていた石です。
このペンダントのトルコ石にはムガル文字の周りに星の陰刻があり、澄んだ美しい水色の石で、特別な石として扱われていたことがわかります。
インタリオのフレームにはミルグレーン(細かい粒状彫金)があります。
ムガル帝国は、サマルカンドを首都として、各地からさまざまな分野の職人や芸術家、学者を集め、建築や芸術に力を注ぎました。
ヒンドゥー教とイスラム教の融合をし、デリー=スルタン朝に始まるイスラーム文化とインド文化を融合し、インド=イスラーム文化が開化した華やかな帝国でした。
16-17世紀のムガルのインタリオを、19世紀のフランスの宝飾技術と、ムガルにインスピレーションを受けたデザインで、美しく仕上げたアンティークジュエリーで、
ある日は黄金の彫金細工を、他の日には空色のインタリオを楽しめる、ダブルフェイスのアンティークペンダントです。
※ 画像のチェーンは参考品です。ペンダントをご希望の方にはご紹介をさせていただきますのでお問い合わせください。
ペンダント:フランス 19世紀中期
インタリオ:16 - 17世紀 ムガル帝国期
素材: トルコ石・ダイヤモンド・18金
サイズ:L4.5cm W2.3cm
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Pendant: France, mid-19th century
Intaglio: Mughal Empire, 16th - 17th century
Materials: Turquoise, Diamonds, 18K Gold
Size: L4.5cm W2.3cm
Price : Please contact us ▽