N°1384 ポーランド公女 聖母マリア 1822年エマイユ ダブルフェイス アンティークぺンダント

フランスの19世紀のアンティークジュエリーをご紹介致します。
ダブルフェイスのペンダントで、18金製、片面はエマイユで創った聖母マリアとイエス、預言者ヨハネで、もう片面は象牙へ描いたポーランド公女像のミニアチュールです。

ポーランド公女 聖母マリア 1822年エマイユ ダブルフェイス アンティークぺンダント

聖母マリアと幼子イエス・聖ヨハネはエマイユ製で、フレームは18金板へルネサンス時代様式の植物文様を透かし彫金し、縁取りには、縄編み状の縁取りを飾り、エマイユが施してあります。
またこの絵は、ルーヴル美術館所蔵で、1507年ラファエロ作の「美しき女庭師(聖母子と幼子聖ヨハネ)」の構図をもとに描いてあります。

このエマイユは「ペインティッド・エナメル ※下記参照」と言われる技法で、ガラス材を焼成して作りますが、温度の違う各色ごとに焼成し、磨いてまた焼成を繰り返し作りますので、まるで非常に緻密な仕上がりで、今ではもうどのように作るかわからないエマイユ技法です。
2つの違ったミニアチュールとフレームを組み合わせたペンダントで、側面はこのようになっており、チェーン通しは表面が銀製で内側が18金製で、1周のダイヤモンドセッティングがあります。

ポーランド公女像は象牙のミニアチュールで、公女の右側に、ミニアチュール作家「ジョセフ・ソンタグ J Sonntag 1822」 のサインがあり、ミニアチュールはガラスをセットし覆ってあります。

ジョセフ・ソンタグは、1784年にドレスデンに生まれ、ポーランド宮廷の貴族ためのミニアチュール作家、画家として活躍したのち、1834年にポーランドの歴史ある都市クラコフで逝去しました。現在ポーランドのワルシャワ国立美術館には、首相になった「アダム・ポトツキの肖像 1827年」が保存してあり、顔の表情や描き方に特徴が見て取れます。

ナポレオン1世皇帝時代から、ポーランドはフランスと親密な関係の国でした。ナポレオン1世が皇帝につくと、ロシアの脅威からポーランドを守り、独立解放運動に向かっていったからです。
そのため多くのポーランド貴族達がフランスへ渡り、結婚や交流がありましたから、ミニアチュール作家のジョセフ・ソンタグの作品がフランスへ渡ってきたと考えられます。
当時、このようなミニアチュールに残り、美しい細工を施したジュエリーへ作られるほどの人物は、貴族階級のみでしたので、この少女のミニアチュールは、ポーランド貴族の公女と考えられます。

公女像のフレームは、ニエロと言うエマイユ技法(※下記参照)で、金板へ彫金し、凹みへ黒いエマイユを投入する技法で作ってあり、四隅に銀フレームでダイヤモンドのセッティングがあります。
チェーン通しは縦12mm、内径の幅が5mmありますので、太めのアンティークチェーンや、二重にして着けますととアンティークジュエリーらしさが感じられ素敵です。

画像のアンティークチェーンは参考品ですが、似合うチェーンをご紹介致せます。
使わないときには、作品として飾っておいても綺麗ですし、ダブルフェイスの表裏楽しめるアンティークジュエリーです。

◯ 彩色エマイユ_ペインティッド・エナメル_絵画エマイユ_七宝
平らな金属の台座表面へ白のエマイユをベースにし、その上へ筆で置きながら、多色で絵や文様を作り焼成して装飾をつけるエマイユ技法の一つ。色によって焼成温度が違うため、焼成と研磨を繰り返しながら仕上げる。クロワゾネエマイユやエマイユ・シャンルヴェのように輪郭が無く、非常に高度な技術が必要であったが、仕上がりは絵画のように繊細で緻密、色のグラデーションや半透明エマイユを組み合わせた描画もあるため「絵画エマイユ」と呼ばれる。
彩色エマイユ技法は、15世紀中頃にヴェネツィアで始まったと伝わっており、その後15世紀末頃に、すでにシャンルヴェ・エマイユの技術で有名であったフランス中部のリモージュの工房が技法を完成し、16世紀から17世紀にかけて、祭壇画、聖具、額入り七宝絵、飾り絵皿、宝石箱などが作られた。多色に加え、金彩や半透明エマイユを組み合わせた華麗なリモージュ作品は評判となり、ヨーロッパ中の王侯貴族や高位聖職者から注文を受け、ルーヴル美術館で現在保存している作品には、当時の著名なリモージュ工房製がある。18世紀には、フランスへ旅したイギリス国王ウィリアム3世やアン女王が好んだことからイギリスやウィーンで流行し、フランスから作品を輸入、またはフランス出身の技術者がロンドンやスイスで工房を持ち注文に応じ作られ、当時の作品は現在ナショナルギャラリーに保存されている。アンティークジュエリーやオブジェにある彩色エマイユは、小さく緻密な美しさが魅力の作品が見られる。

◯ ニエロ_エマイユ技法
象嵌の一種で、銀を土台にし黒の装飾を施したもの。銀台へ文様を彫り込み、銀、鉛、銅などの硫化金属の粉をつけ、焼成後に表面を磨き上げてなめらかに仕上げる。

フランス 1822年
素材:ミニアチュール(エマイユ・象牙)ダイヤモンド・18金・銀・ガラス
サイズ:L6.1cm W4.2cm
トップリングサイズ:L1.2cm 内径W0.5cm
価格問い合わせ ▽

Pendant
France 1822
Material: Miniature(Enamel,Ivory), Diamond, 18K Gold, Silver, Glass
Size: L6.1cm W4.2cm
Top ring size: L1.2cm inner diameter W0.5cm
Price : Please contact us ▽

お問い合わせ

一覧に戻る

こちらもおすすめ

ページの先頭へ