アンティークジュエリー辞典 素材

ルーヴルアンティークでお取り扱いをしているアンティークジュエリーとオブジェの「貴金属や宝石などの素材」についてご案内をしています。
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アンティークジュエリー辞典

ダイヤモンド

アンティークジュエリー物語 n.70 マテリアルの手帖N.3 ダイヤモンド

アンティークジュエリー物語 n.71 マテリアルの手帖N.4 ダイヤモンドをもっと詳しく

アンティークダイヤモンドジュエリー

◯ ポイントカット_point cut_ダイヤモンド
ダイヤモンドのもとの結晶の8面体の、面を研磨したのみのファセットをつけないカット。主に1500年代〜1600年代中頃までのジュエリーに見られる。

◯ テーブルカット_table cut_ダイヤモンド
ポイントカットの上を切り取った形を研磨したもの。1400年代初め頃から1600年代中頃に主流であったカット方法で、その後のローズカットの登場で使用が少なくなる。

◯ シングルカット_single cut_ダイヤモンド
主にメレーダイヤモンド(小さなダイヤモンド)のカット方法で、クラウンに8面、パビリオンに8面の研磨をしたもの。

◯ ローズカット_rose cut_ダイヤモンド
インドでは古くから似たカットがあり、ヨーロッパでは1600年代に始まったとされている。底が平らでパビリオンは無く、上は多数の三角形のファセットをつけたもの。

◯ マザランカット_mazarin cur_ダイヤモンド
1600年代後半に登場したカット。将来のブリリアントカットの誕生と言われ、光が入り、パビリオンで反射しクラウンから出る石の輝き、つまりダイヤモンドのもつ高い屈折率を生かしたカット方法。

◯ オールドカット_ダイヤモンド
(オールドマイン_Old mine (brilliant) cut、オールドヨーロピアン_Old European cut)
ブリリアントカットのごく初期のカット。モダン・ブリリアントよりもかなり厚みのあるクラウンが特徴。オールドマインはガードルが四角形に近く、オールドヨーロピアンは楕円形であるが、規定はなく総称でオールドカットと言われることが多い。

◯ ブリリアントカット_brilliant cut
57-58面体のカット。現代の基本のカットは1919年にベルギーの数学者で宝飾職人のマルセル・トルコフスキーが開発した。ダイヤモンドの屈折率や反射を研究し、数学上、理論的に最も輝く比率を考案し、モダンブリリアントカットのルーツになっており、プロポーションと呼ぶ形状とバランスが決まっている。マルセル・トルコフスキーはベルギーのダイヤモンド加工業の名門トルコフスキー家の一員であった。

天然真珠 真珠 パール

アンティークジュエリー物語 n.67 マテリアルの手帖 N.2 真珠

アンティークジュエリー 天然真珠_ナチュラルパール バロック真珠_バロックパール 芥子真珠_シードパール淡水真珠_ウォーターパール ミシシッピ真珠_ミシシッピーパール_フェザーパール マベ真珠_マベパール 真珠母貝_マザーオブパール 南洋真珠養殖真珠_カルチャーパール ルーヴルアンティーク アンティークジュエリー&オブジェ専門店 ジュエリーの素材について
発掘された真珠のジュエリー / 真珠のイヤリングをつけた女性肖像 古代ローマ時代 ルーヴル美術館蔵

 

◯ 天然真珠_ナチュラルパール
人の手を介せず、自然界で形成された真珠を指す。
真珠層を内部に持つ貝の中へ、偶然に入った異物を核として、大変長い時間をかけて真珠層が取り巻き、出来上がる真珠のこと。
貝には、自ら貝殻を作るため、また呼吸や餌を取り込んだり、海水量の調整に使われる外套膜を持っている。
水中の小さな生物や砂などの異物が貝へ入り、外套膜が刺激され傷つけられると、破れた膜が袋のように異物を包みこみ、真珠袋を作り、その袋の内側で、異物の周りに貝の内部と同じ組織を形成し、それが長い年月をかけて層となり、真珠を作っていく。
天然真珠はすべて真珠層で形成されており、核はないか、あってもごく小さなものである。
あこや貝だけでなく、他の貝でも作られ、色や形、サイズはさまざまである。

天然真珠 / 真珠のジュエリーを着けたハリエット・ハワードの肖像 19世紀中期 フランス コンピエーニュ美術館蔵 ルーヴルアンティーク アンティークジュエリー&オブジェ専門店 アンティークジュエリー辞典
天然真珠 / 真珠のジュエリーを着けたハリエット・ハワードの肖像 19世紀中期 フランス コンピエーニュ美術館蔵

 

◯ バロック真珠_バロックパール
真珠が形成されるときに、偶然に作られた歪んだ真珠。
自然界での偶然の創作で、貝へ入る異物の種類や形に、入る場所によって、真珠層が作られるごく初めの頃から形成されて、その形になるため、ふたつと同じ形が無いのが魅力の真珠である。
アンティークジュエリーではルネサンス時代の頃から珍重され、エマイユや宝石、金銀細工で飾ったペンダントやブローチが作られた。
20世紀初頭のジュエリーまでは比較的見られるが、現在ではほとんどが養殖真珠で、天然のバロック真珠は皆無と言える。

◯ コンク真珠_コンクパール
メキシコ湾の南のキューバやプエルトリコ、ニカラグアに囲まれたカリブ海と近隣の海に生息する大型の巻貝のコンク貝(ピンク貝)から採取される真珠のこと。
近辺の原住民が身を古くから食用しており、稀に真珠が見つかり珍重されていた。
色は、赤濃淡、ピンク濃淡、白、淡黄、橙色、褐色、ココア色で、形は楕円形、丸みのある三角形が主である。
通常の真珠は、真珠層が重なりながら形成(層状構造)されるが、コンクパールは異なる層が斜めに交差しながら真珠層が形成(交差板構造)されるため、真珠の照りと言われる虹色の光沢は見られないが、艶消しの質感と色が独特で、見え方は強弱あるが、波状の光沢があるモアレ生地や炎のように見える「火焔模様(フラム・フレーム/flames)が現れる真珠がある。
この構造のため、モース強度(※以下参照)は他の真珠が3-4のところ、コンクパールは5-6ある。
白からベージュ、ピンクのグラデーションが美しい貝殻は、カメオに使われている。
アンティークジュエリーでも珍重され、リング、ペンダントトップ、ピンブローチなどに、単体で、綺麗な色を生かして他の真珠と組み合わせたジュエリーが見られる。
現代では養殖は技術的には可能となっているが、困難なことと、貝が絶滅種に指定され、資源の確保や規制があるため採取が少なく、ほとんどが天然である。

コンク(巻)貝 / コンク真珠 ルーヴルアンティーク アンティークジュエリー&オブジェ専門店 アンティークジュエリー辞典
コンク貝 / コンク真珠の色

 

※ モース強度
主に鉱物や石に対する硬度の尺度のひとつ。19世紀初期のドイツの地質・鉱物学者、フリードリッヒ・モースに由来している。1-10で表し、ダイヤモンドは10、オパールやラピスラズリが5、タルク(滑石)が1である。

◯ 芥子真珠_シードパール
芥子粒ほどの極小真珠のこと。アンティークジュエリーでは、1mm以下のシードパールもあり、全て天然真珠である。
いにしえの天然真珠の採集では、採取した貝を炎天下で腐敗させ、身を洗い流して真珠を取る方法を使っていた。中にはさまざまな大きさ、形の真珠があり、天然真珠は時間と人手のかかる大変希少なもので、大きさや形に関わらず全て集め、ヨーロッパに渡りジュエリーやオブジェに飾られた。
シードパールは1珠では使いようがないが、数百〜1000珠以上を使うことで、真珠独自の照りの美しさをジュエリーへ飾ることができたため、小さな穴を作り連のネックレスにしたち、リネンや絹糸、貴金属の線を通してペンダントやブローチに作られた。
数多くのシードパールを使ったジュエリーは、小さいがゆえに膨大な手作業の工程と技術が必要で、今ではアンティークジュエリーでしか見られない天然の極小真珠は、高い価値が付けられている。

◯ 淡水真珠_ウォーターパール
川や湖で採取される真珠のこと。
天然真珠の場合は、海で採れると同じように、貝に異物が入り込み、真珠層を形成し作られる。
アンティークジュエリーで見られる淡水真珠は、現代のものと比べ真珠層が厚く、照りも美しいもので、海の天然真珠と比べても見劣りしないほど綺麗な真珠があるが、輝きには微妙な違いが見られ、海の天然真珠は深い輝き、淡水真珠の方が軽やかな艶やかさを持っている。
バロック真珠も多く、19世紀末のアールヌーヴォー時代のアーティスト・ジュエラーに好まれ、形の面白さから、動物や植物に見立てた細工の凝ったジュエリーやオブジェへ作られた。

ミシシッピーパール / 淡水真珠の母貝 真珠について アンティークジュエリー辞典 ルーヴルアンティーク アンティークジュエリー&オブジェ専門店
ミシシッピーパール / 淡水真珠の母貝

 

◯ ミシシッピ真珠_ミシシッピーパール_フェザーパール
アメリカ南部のミシシッピー川で採取された天然の淡水真珠のこと。
ミシシッピー川の二枚貝が偶然に作る天然真珠で、貝の形から発生する細長い真珠や、バロックの中でも大変ユニークな形の真珠が形成された。
淡水ならではの軽やかな照りが特徴で、その繊細な艶やかさは海の真珠とはまた違った趣を持つ。
アンティークジュエリーでは、ルネ・ラリックなどのアールヌーヴォー時代から20世紀初頭のアーティスト・ジュエラーに好まれ、ティファニーでは細長いミシシッピーパールを花びらに例えた菊の花のようなブローチが作られ、見事な作品が後世に残されている。
形が羽のように見えるものがあり、「フェザーパール」とも呼ばれる。

◯ マベ真珠_マベパール
マベ貝から採取される真珠のこと。
アンティークジュエリーでは少ないが天然のマベ真珠が見られる。天然のマベ貝はもともとの数が少ないことや、激流の中に生息しているため、異物が入りにくく、他の貝よりも真珠ができにくいため大変希少である。
1970年代に日本で人口樹脂を貝へ貼り付ける養殖技術を開発したため、現代では珍しいイメージは無くなっているが、アンティークジュエリーに見られるマベ真珠は、今にない見事な色や照りがあり、コレクションの対象にもなっているほどである。

パリ製 真珠母貝を飾った宝石箱 1532-1533年 ルーヴル美術館蔵 / マザーオブパール ルーヴルアンティーク アンティークジュエリー&オブジェ専門店
パリ製 真珠母貝を飾った宝石箱 1532-1533年 ルーヴル美術館蔵 / マザーオブパールと南洋真珠

 

◯ 真珠母貝_マザーオブパール
真珠を形成する貝のこと。
あこや貝、コンク貝、淡水真珠貝、白蝶貝、黒蝶貝、茶蝶貝、アバロンなどがあり、アンティークジュエリーのマザーオブパールは、ほとんどが白蝶貝である。
貝の内側の虹色の輝きのある部分をカットし、さまざまな細工を加えた。
アンティークジュエリーでは薄彫りのレリーフカメオや、台座などへ、オブジェではルーペ、宝石箱、ロニエット、オペラグラスなどのオブジェの装飾に使われた。

◯ 南洋真珠
赤道を中心にした24-29度の暖かい海にいる、白蝶貝と同じ種類の二枚貝の黒蝶貝や茶蝶貝から採れる真珠のこと。
茶色から黒、グレー、ダークグリーン、灰色、濃いめのベージュなど色付きの真珠で、ニュアンスに富んだ美しい色が魅力の真珠である。
天然真珠ではアンティークジュエリーにも見られるが希少である。フランスでは植民地であったポリネシア領(タヒチ近辺)で採取され、19世紀のナポレオン3世皇帝時代のころから、ジュエリーに仕立てられた。
養殖は白蝶貝よりもずっと後の時代で、現代では多くなっている。

◯ 養殖真珠_カルチャーパール
人工的に貝へ核と呼ぶ球体の異物を埋め込むことで、貝がその核に真珠層を形成した真珠のこと。
断面を見ると核があるため養殖であることがわかる。
ヨーロッパでは16世紀頃から、真珠がどのように作られるのか研究が行われていた。
その後時代を経て、さまざまな国の研究者が、実験、開発を行なっていたが、全てが研究者の段階であった。
日本で1906年に技術を発明し、1910年代には本格的に技法を安定させ、1920年代に入ると生産されるようになった。
当時の養殖真珠は、3-5年の期間を経て厚い真珠層のあるものを作り、天然真珠と見紛うくらい質の良い養殖真珠を作ったため、「養殖真珠は本物か偽物か」という論争が起こり、裁判になったほどで、結果、1924年に、ヨーロッパの一流真珠研究者が鑑定を行い、養殖真珠は天然真珠と何ら変わるところがないという結論を出した歴史があった。
現代では海の汚染、大量生産により当時のような質の真珠は非常に少ないものである。

これから掲載予定の素材・宝石

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